nightseeing~観光時間~

 <夜こそ観光の時間、光を観る時間だ。>
   ―「夜旅」(文・中野純 写真・中野和人、河出書房新社)より

 数年前から、沈んだ後の夕陽や昇る前の朝日、そして月明かり。そうした
光を頼りに風景を写真に収めるということをやっています。

 不思議なもので、昼間の明るさの中で眺める風景よりも、夜の闇にぼんやりと
浮かび上がる風景の方がより印象に残ることがあります。暗闇に目が慣れて
対象の輪郭が見えてくるまでの、うっすらとした風景に目を凝らしている時間。

 夜、人影のない風景の一点に立ってカメラを構え、風が揺らす木々の音や
森の奥から聞こえる動物の声、クマザサを踏み歩く何か大きなものの気配を
感じる時間。

 太陽が照らす昼間に同じ場所に立っていたとしても、たぶん感じないであろう
時間の流れや空気が、夜の闇にはあるようです。

 観光旅行。なんとなく晴れた昼間の青空の下で旗の後ろについて歩くような
イメージが頭に浮かびますが、こんな観光はどうでしょうか―。

<第1夜>糠平温泉入口にて

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